物流業界の転職事情
物流業界は、今は海外、そして国内と盛んに需要が増している業界です。海外に目を向けると、中国の次に期待がされているインドへの進出も見逃せません。また、国内では、ECを中心とした物流需要は毎年増加してます。
ロジスティクスは、単なるものの流れから、戦略へと変わりつつあります。
海外進出の企業が増加
日本は、グローバル化が進む中、海外に進出している企業は増え続けています。
海外進出の中で多いのが、中国、米国、インド、ドイツです。特に、インドは急上昇しています。特にインドは、将来的に経済発展を大きく遂げる可能性を秘めた国です。その根拠となるのが、人口です。
2028年には、中国を抜き14憶5000万人に達する予測がされています。既に、購買ベースでは、2012年の時点で、日本を抜き世界3位の座を射止めています。そんな将来の巨大市場に目を向けて、今日本でもインドへ進出し、業績を上げています。
世界的にみても、物流業は、着実に成長していっていることが分ります。
出典元:トラベルボイス
EC市場の拡大
インターネットでの物の消費。スマホで手軽に物が買える時代。そんなモバイルコマース市場は、2013年時点で10兆円を超え、2017年には、16兆円を超えました。4年間で6兆円増加するというスピードです。
また、国内でのBtoB-EC市場は、317兆円という市場規模にまで成長と続けています。特に、小口でた頻度の輸送ニーズが増えています。
出典元:経済産業省 電子商取引に関する市場調査
物流業界の求人の探し方
ここからは、物流業界での仕事の探し方また、物流業界が初めての方向けにどのような職種があるのかご紹介していきます。
希望する条件の洗い出し
物流業界は、物流コンサル、企画、営業、倉庫管理、現場の運送業と幅広いです。特に、物流を経営戦略と位置付けているロジスティクス業務は、業務経験を活かした業務が転職もし易いでしょう。また、未経験からの場合は、業種も選んで探していきたいところです。
物流業界の仕事には、多くの求人が出ていますが、以下のような業務があります。
物流企画
物流企画は、工場などで製造した商品を顧客へ届けるために必要な、配送ルートや在庫管理、人員配置、物流センターの配置などを決めていく仕事です。これは、アパレル業、化学、機械、食品などどの業界でも必要とされる仕事です。
つまり、モノを運ぶネットワークを構築し、ロジスティクス戦略として考える仕事です。
転職市場においても、人気の職種の1つで、主な業務は、以下があります。
・専門商品の物流コンサルティング
・トラブル対応、問題分析、改善提案業
・配送の流れ・手順
。商品の保管方法
・資材メーカーとの折衝業務
・配送業者とのコンタクト
・物流の品質向上
・物流サービスの拡大
など
倉庫・在庫管理
倉庫管理は、貨物の出し入れだけではなく、商品が届くまでの保管、加工など幅広い役割のある仕事です。
・商品の保管方法
・商品の品質の維持
・貨物の輸送計画
・輸送管理
・倉庫スペースの効率化
・在庫管理
・流通加工業
物流営業
物流営業は、荷主を獲得することを目的とした仕事です。そのため、顧客へのアプローチやロジスティクス・コンサルティング的な働きもします。
・企業動向分析(物流要覧等、帝国データバンク等を利用)
・顧客動向分析(求められる物流サービスレベル)
・競合分析(売上、物流体制、商品、USPなど)
・業務フロー、ロジスティクスフロー図等の作成
・商談ヒアリング
いかに、顧客の問題、課題を拾い上げ、その課題に対して、いかに適切なサービスを提供から物流営業の仕事です。
物流体制支援
物流センターを立ち上げる場合や、実際に稼働するまでは、様々な問題が発生します。例えば、
・入荷した商品の置き場がない。
・仮置き状態が続く。
・顧客の締め切り時間に間に合わない。
・ピッキングする商品が見つからない。
・帳簿在庫と実際の在庫の不一致。
などです。
このような状況を回避するため、物流センター構築時には、
・庫内レイアウト設計
・マテハン導入の計画
・商品マスター設計
・事務、現場、荷主の役割の明確化
・調達コントロール
などを検討したり、構築後は、フォローまでおこなう支援サービスもあります。
外資系企業
外資系の企業であれば、日本の法規制や顧客の新規開拓、物流体制の構築など、より幅広い仕事があるでしょう。また、英語のスキルも必要です。多くの企業は、TOEIC600点以上を求めています。
ただ、海外では、あまりTOEICの知名度は高くないこともあり、英語を使った実務経験を重視する傾向にあります。
物流転職サイトと転職エージェントとの違い
転職にあたって、求人探しをする上で使うのが、物流の転職サイトではないでしょうか。ネットで簡単に求人を検索できるため、便利です。
また、その場で求人、給料、求められるスキル、仕事内容が分るため、転職するには欠かせないサービスの1つと言えるのではないでしょうか。
ただ、物流業界は、専門職に近いため、転職する場合、経験が活きる仕事を見つけにくいという特徴があります。
特に、求人募集を出している企業は、かなり業務やスキルを指定することもあり、応募しても不採用となるケースが多いのが、この物流業界でもあります。
つまり、自分のキャリアと企業側のニーズの汲み取りが成功へのカギになります。
キャリアと企業ニーズをマッチさせる転職エージェント
転職で成功させるためには、自分のスキルがどのような仕事、会社で使えるのか、また評価してもらえるのかといった、企業側のニーズを把握することが転職を成功させるポイントになります。
応募するチャンスが増える
例えば、物流業界が初めてであっても、活かせるスキルがあれば、未経験者で合っても、狙える仕事の可能性は広がります。これは、未経験者だけではなく、経験者も同じです。
どうしても、自分で求人探しをしてしまうと、企業側のニーズは把握できても、企業側が求めている人材まで、正確に把握するのは難しいです。こういった、検索では見つけることが困難な求人を探し出してきてくれるのが転職エージェントです。
なぜ、そのようなことが出来るかというと、転職エージェントは、企業へ直接出向いて、募集したい人物像をヒアリングしてくるからです。募集要項に書かれている背景まで調査してきます。
つまり、企業側の視点、求人探しをする側の視点の両方から探してくるのです。だから、求人検索で見つからないような企業が紹介してもらえるわけです。つまり、応募するチャンスが増えます。
検索では見つからない求人が見つかる
ネットで検索できる求人は、公開求人と呼ばれます。それとは別に、ネットでは検索することのできない非公開求人があります。
その比率は、公開2割:非公開8割と言われています。
その8割を握っているのが、転職エージェントです。だから、見つかる可能性も大きいわけです。また、転職エージェントには、それぞれ企業との付き合いや関係があります。
ですので、転職エージェントを使いこなせば、それだけ、知らない求人に出会えるチャンスも生まれます。
物流業界に強い転職エージェント
ここからは、物流業界に強い転職エージェントをご紹介します。
◆国内 転職エージェント
リクルートエージェント
概要
りクルートエージェントは、求人数の多さ、そして営業力の高さが売りの転職支援サービスです。なんと、非公開求人数は、9万件以上と、他の転職エージェントと比較してもトップクラスです。
既に30万人以上が成功を収めている国内を代表する転職エージェントといえるでしょう。
ポイント
・サポートが充実している
・過去の成功事例等をデータ―ベースとして蓄積
・他のエージェントにはない物流非公開求人も見つかる
総評
リクルートエージェントを使った人の口コミで多いのが、担当者が良かったという点です。求人紹介から面談の日程調整、給料等の条件交渉まで全て対応してくれます。また、面接対策や書類選考対策も、過去の実績に基づいてサポートしてくれるため、安心して使えるサービスです。
就職Shop
概要
就職Shopは、リクルートエージェントと同じリクルート系列の転職エージェントです。ここは、主に20代を中心とした求人を紹介しています。特に、就職Shopで紹介してくれる企業は、全て100%訪問している企業のため、安心して働くことができます。
ポイント
就職Shopは、基本的に若手採用を積極的におこなっている企業のみが集まっている転職支援サービスです。そのため、この転職エージェントを利用すると、書類選考はなしで通過することができます。物流未経験から正社員への道も近づきます。
総評
就職Shopは、物流業界をはじめ、多くの業界との関係を持っている転職エージェントです。また、就職した人の4人に3人は正社員未経験からの入社を達成しています。物流業界へ入る人、異業種へキャリアチェンジしたい20代にはおすすめです。
マイナビエージェント
概要
マイナビエージェントは、物流業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍しているエージェントの一つです。特に、物流業界という、会社側の求めるニーズは、ピンポイントのため、なかなか該当する人材を見つけることが難しいと言われています。
そんな中でも、業務の棚卸等をおこなうことで、売るべきポイントをアドバイスしてくれるなど、心強い転職支援サービスといえるでそう。
ポイント
普段、仕事が忙しく、転職活動が出来ない方にとっては、嬉しい夜間でのキャリア相談、土曜日でも日程調整してくれるなど、臨機応変に対応してくれる点は、ありがたいですよね。
総評
マイナビは、多くの業界でそれぞれの業界に特化した求人紹介サービスをおこなっています。また、マイナビで検索できない非公開案件は、80%を占めます。ですので、より本格的に転職活動をするなら、登録しておいて損はないエージェントでしょう。
パソナキャリア
概要
パソナキャリアは、転職エージェントの中でも老舗の会社です。取引企業数は、16000社を超え、求人数も2万5千社以上と、業界トップクラスの紹介数を誇っています。
ポイント
パソナキャリアは、物流業界のキャリアアップに成功している方の多い転職支援サービスです。もちろん、業界にもよりますが、年収のアップ率が67.1%とかなり高い確率で優良企業へ内定を決めています。
総評
パソナキャリアは、物流、倉庫、在庫管理の求人を多く持ち、古くから付き合いのある大手企業などのパイプもあります。物流業界の経験者として転職するのであれば、売り手市場の今なら大きなチャンスがあるでしょう。
ワークポート
概要
ワークポートは、転職エージェントの中でも、IT系に強い会社です。そのため、物流の中でも、IT系のシステム開発や物流系の事務職なども多くあります。IT系物流会社、もしくは、ITを活用した物流支援をおこなう会社探しにはおすすめです。
ポイント
ワークポートは、マッチング率の高いエージェントで、求人を探し出す力も優れた会社です。中でもIT系の会社を多く抱え、システム開発やシステム導入コンサル、倉庫管理システムなど、多岐に渡ります。
総評
書類選考、面接対策は、一人一人に専任のキャリアコンシュルジュがつくため、きめ細かなサービスを受けることができます。また、業界に精通した担当者もいるため、業界の動向をチェックするためにも相談しておきたいサービスでしょう。
DODA
概要
DODAも求人数の多い転職エージェントの1つです。DODAもどちらかというと、物流よりもIT系の方が多い転職エージェントです。ただ、案件数が多いため、中には担当者が外れのケースもあります。
ポイント
他の転職エージェントで足りない時により、多くの求人を知ることができます。
IT系で仕事を探している場合は、チェックしてみると良いでしょう。
総評
DODAは、求人数が多いですが、その分、転職エージェントも多くいます。ただ、物流業界に特化しているキャリアコンサルタントはそれ程多くいるわけではないため、自分に適した企業を探すなら、他のエージェントもチェックしておきたいところです。
◆外資系 物流転職エージェント
JACリクルートメント
概要
JRCリクルートメントは、イギリスの日系転職エージェントです。ロジスティクス転職.comというサイトを運営しています。対象は、未経験者ではなく、マネージメント経験、コンサル実績、TOEIC700点以上の方が利用しています。
ポイント
外資特有の実力主義かつ、数値で結果を追い求める方に向いている転職エージェントです。もちろん、年収が高い企業へのヘッドハンティングを得意としており、マネージャークラスのサービスです。
総評
JRCでは、ハイスペックな人材と、それに見合う報酬を得ることのできる、求人紹介サービスです。そのため、物流業界での経歴書も実績を重視されるため、相談する前には、ある程度棚卸はしておいた方が良いでしょう。
物流転職エージェントを利用するステップ
ここからは、物流業の転職エージェントを利用するステップを簡単に分解してご紹介します。転職エージェントは、出来る限り、広く登録しておくことをおすすめします。
そうすることで、入ってくる求人情報、内定へのスピードも全く違ってくるからです。ただ、まずは、情報収集だけという方は、1、2社程度で十分でしょう。
ユーザー登録する
転職活動を開始する場合は、企業紹介してもらうため、まずは、Web画面で登録が必要です。ここでは、現在の物流会社での仕事内容や、希望する年収、勤務地、いつ頃に転職を希望するかなど、分る範囲で入力します。
電話またはメールが届く
登録が終わると、キャリアコンサルタントから、電話で連絡がきます。(メールのケースもあります。)この結果、時期的に紹介してもらえそうな求人が少なかったりするケースもあります。その場合は、他のエージェントへ登録しましょう。
多くの方は、少なくとも、3社以上は登録しています。出来る限り良い条件を引き出すなら、登録しておいて損はありません。全て無料ですので。
キャリアカウンセリング
キャリアコンサルタントと一度会って、自分のキャリアの棚卸しと、希望する物流企業の条件を伝えます。それを聞いたキャリアコンサルタントは、数ある企業の中から、希望の求人に近いものを紹介してくれます。
特に、物流業界は、この企業をどう探してくるか、また、未経験から転職する場合でも、どうキャリアを見えるか試行錯誤しながら、条件の良いものを提案してくれるはずです。
応募書類の作成と添削
また、行きたい物流企業があれば、書類選考対策として、履歴書や職務経歴書の書き方、志望動機などPRの仕方を教えてくれます。また、過去に内定を取っている方がいれば、その情報も合わせて、深い対策準備ができます。
これは、一般的な求人探しで直接物流会社へ応募している方には、出来ない対策です。なので、アドバイスもらえる点は、どんどん修正改善して吸収していきましょう。
応募する
キャリアコンサルタントからのアドバイスをもらって、作った応募書類が完成したら、いよいよ、応募です。応募は、キャリアコンサルタントが代行して、企業へ提出してくれます。
また、その時に、コンサルタントからの推薦状のコメントも一緒に付加されて、採用担当者の元へ届きます。もちろん、推薦状があれば、内定がもらえるわけではありませんが、一般で応募する場合とは、状況は異なります。
面談対策の実施
書類選考が通過すると、次は、面接です。就業中の場合は、面接日程の調整など企業側と調整するのは大変ですが、これも、キャリアコンサルタントが代行で日程まで調整してくれます。
なので、希望日や都合の悪い日などは、キャリアコンサルタントに伝えれば、後は、面接の準備だけに集中できます。
企業と面接の開始
企業との面接では、キャリアコンサルタントと練習してきた模擬面接、質問対策、面談の受け方のコツなどを一通り済ませておけば、安心して受けることができます。
もちろん、最初は慣れないこともありますが、キャリアコンサルタントは、多くの成功者を出しているので、一つ一つアドバイスに従って対応していけば、道は開けてきます。
入社の準備をおこなう
無事、新しい物流会社への内定が決まったら、あとは、入社日の日程調整に入ります。ここも、キャリアコンサルタントが、日程調整をしてくれます。なので、自分のすべきことは、退職手続きのみです。
転職活動は、一人でおこなうと、あれもこれも対応しなければならず、就業中は大変ですが、キャリアコンサルタントがいるだけで、ずっと楽に活動をすることができますよ。
物流の転職エージェントまとめ
いかがでしたでしょうか。物流業界での転職は、企業側のニーズが細かいこともあり、求人検索で応募してもなかなか思ったような転職活動ができないこともあったかと思います。
その場合は、転職エージェントも利用していきましょう。利用し、自分の棚卸、そして、企業が何を求めているのかを分析した上で、試験対策をした方が確実です。
特に、転職エージェントは、その企業ニーズを把握することが仕事の一つでもあるので、活用すれば必ず道は開けてきます。転職の成功を祈っています。
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