1.ハローワークの流れと相談方法
ハローワークでの転職活動。最初は、どのように活動をおこなえば良いのか、ハローワークに行ったら、何をすれば良いのか分からない、不安なこともあるのではないでしょうか。
ここでは、まず、ハローワークに行ったら、すべきこと、そしてハローワークの使い方と成功する転職活動をご紹介していきます。
1-1. ハローワークの役割
ハローワーク(公共職業安定所)は、国が運営している職業紹介所です。設置数および相談員の数は、国内最大規模です。転職する方、退職した方なら誰でも利用できます。
554所(本所:436所、出張所:95所、分室13室)
◆ハローワークの職員の数
職員数 10,536人 相談員 15,702人
平成29年度 ハローワーク
※ハローワークで働いている人は、非常に多いですが、その3分の1以上は、非正規社員です。なので、1年~3年程度で入れ替わることも珍しくありません。
1-2. ハローワークの利用の流れ
ハローワークを初めて利用する場合は、最初に求職申込書の作成から始まります。ハローワークに行くと、書き方のサンプルもありますし、分からない点は、相談員に確認することもできます。
ここでは、利用するまでの流れをご紹介します。
1.求職申込書の作成
転職目的でハローワークに行く場合は、最初に「求職申込書」を作成します。職務経歴書、履歴書はを持参しましょう。
2.窓口に提出する。
求職申込書を窓口に渡すと、職員からハローワークカードが渡されます。このハローワークカードは、ハローワークを利用する時に必要になるので、必ず持参しましょう。(有効期間は、渡された日から翌々月の末日までです。)
3.求人を検索します。
ハローワークの求人検索は、大きく2つあります。
・求人情報端末での検索
求人情報端末は、ハローワークにしか設置されていません。求人も、インターネットでは掲載されていない情報もあります。なので、行った時には、こちらも検索して探しましょう。
ハローワークに求人探しにいく場合は、私服で問題ありません。ただ、中には、求人票を提出したその日に運よく面接が受けられる可能性もゼロではないです。なので、中には、スーツで行く人もいます。
1-3. ハローワークでの相談窓口
ハローワークで相談できる内容って気になりますよね。ハローワークでは、求人応募で必要な紹介状の発行手続きだけではなく、応募書類の作成方法のサポートやセミナーの案内もしれくれます。以下はその内容です。もちろん、転職するための、ハローワークでの利用の流れも相談窓口で確認することができます。
・適性検査
・ハローワークでの求人活動の方法
・応募書類の作成や添削
・紹介状を発行する前の企業への確認
・紹介状の発行
・セミナー対策
2.ハローワークを利用するメリット
ハローワークは、求人数も多く、全国に設置されている求人支援サービスです。もちろん、転職活動の軸として使える求人サービスです。ここでは、ハローワークを利用するメリットをご紹介します。
2-1. 地元の求人が探せる
ハローワークでは、地元の零細企業など、民間の求人には掲載されていないような企業を見つけることができます。例えば、家族経営でやっている企業や、10人以下の小さな職場など、見逃してしまいそうな企業も多くあります。地元企業を探している場合は、ハローワークは欠かせませんよね。
2-2. 求人量が多い
国が運営しているだけあり、求人数は、最大規模といっていいでしょう。ハローワークの求人件数は、なんと129万1千件を超えます(時期にもよります)。これだけ多くの求人が掲載されるのも、ハローワークの場合、企業側の掲載が無料であることも一つの理由としてあります。
2-3. 講習会・セミナーも相談できる
ハローワークでは、月に1、2回程度、就活セミナーなどを開催しています。そこでは、面接対策であったり、応募書類の書き方の基本、そして、仕事の需要など、多岐に渡っていいます。
予約制なので、申込するときは、ハローワークの窓口に渡しましょう。(ただ、電話での予約は恐らく不可だと思います。)
2-4. 失業給付金がもらえる
一度、退職した場合は、次の就職先が見つかるまでの間、失業給付金をもらうことが出来ます。ただ、現在、就業中の方の転職活動では、この失業給付金をもらって活動する機会はないと思います。
あくまでも、この失業は、完全に失業してしまった方の救済措置です。ちなみに、ハローワークの相談窓口の相談は、この失業給付金をもらうための、条件である就職実績の一つとしてカウントされます。
そのため、活動実績作りのために、相談する方もいます。なので、もしかしたら、無意味に混雑しているかもしれません。
3.ハローワークを利用するデメリット
ここからは、ハローワークを利用するデメリットをご紹介します。ハローワークは、非常に心強い存在ではありますが、ハローワークを利用すれば、転職先が見つかると思っていると失敗します。
中には、1年以上通って見つからない人もいます。ここでは、そうならないよう、デメリットとして取り上げます。
3-1. 自分で探さないと見つからない
ハローワークは、職業紹介所ですが、個別に会社を紹介してくれるわけではありません。会社探しは、基本的に自分でおこなう必要があります。
ただ、この会社探し。誰もが求人を見つける、検索することは出来ても、内定が取れる企業を探し出すとなるとやっかいです。
なぜだか分かりますか?
それは、自分で企業の採用ニーズと、自身のスキルをマッチングさせなければならないからです。つまり、マッチング能力が低いと、いつまで経っても、採用されないといったことが起こります。
つまり、落ちまくるわけです。
3-2. 掲載されている企業のニーズは様々
ハローワークは、多くの企業が掲載されています。1日に数百件の企業が新しく更新されています。その企業数は膨大です。そして、企業のニーズも様々です。
・今すぐ〇〇のスキルを持っている人材が欲しい。
・レジの受付パートが3か月間欲しい。
・タクシーの乗務員が欲しい。
・20代の清掃員がほいい。
・電子部品の検査業務経験者が欲しい。
・夜勤のできる調理人が欲しい
・サーバー構築のエンジニアが欲しい。
また、それぞれの求人募集の要件には、年齢、スキル、人柄、性格、経験年数など多くの隠れたニーズがあります。つまり、検索条件を絞り込んだだけでは、見つけにくいのです。
膨大な情報から、いかに自分を採用してくれそうな企業があるかを見つけ出していかなければなりません。
3-3. 職員の対応にバラツキ
ハローワークでは、職員の対応にもバラツキがあります。
そもそも、ハローワークの窓口は、その多くが非正規社員です。というのも、非常勤職員の多くは、期間業務職員と呼ばれ、雇用期間は1年しかありません。
その後に契約更新はありますが、3年に1度は公募をかけることに人事院で決められています。だから、優秀な方でも、入れ替わり立ち代わりするわけです。だから、相談員として、長年プロとしての意識を持ちながらやっている人は、少数派です。
なので、当然、ハローワークの相談窓口員は、必ずしもプロとしての自覚の高い方ばかりとは限りません。
◆ハローワークの職員の対応で嫌な思いを・・
席に案内されるやいなや「サポートカードを入れてね。」と言われ「?」となりました。
「30分待たせてごめんね」とかも無いの?と疑問に思いましたが、過去に会話したこともあり言い難いので黙っていました。
相談をしていても過去の資料の紛失などを指摘され(これは反省しています)
「あなたみたいな人にこの業界行って欲しく無いわ〜」など かなりいうことが失礼で嫌気が刺しました。
出典元:知恵袋
3-4. 募集要項と実際の仕事内容に差があった
募集要項と、実際の仕事内容に差があった・・。中にはそんな会社も耳にします。ただ、基本的にないはずです。というのも、ハローワークでは、そのような場合は、必ず、ハローワークに連絡を入れることになっているからです。
とはいえ、絶対にないかというと、そうとも限りません。特にハローワークは、そのように通達していても、中には、忘れている会社や、その注意が抜けている会社も無きにしも非ずです。
だからこそ、必ず、入社前までには、書面で労働条件通知書をもらっておきましょう。
3-5. 職場の雰囲気が掴みにくい
会社へ応募するにあたって、求人票から読み取れるのは、あくまで仕事内容と労働条件だけです。
実際に、どんな職場なのか、雰囲気はどうなのかといった所まで把握することは出来ません。入社してみたら、残業が常態化していて、帰れる雰囲気が全くない会社も珍しくありません。
どうしても、読めない部分、入社してからではないと分からないこともあります。ここは、民間とは異なる点といってもいいでしょう。
3-6. 何度も足を運ぶ必要
ハローワークで求人活動をする場合は、必ず、企業への応募時に、相談窓口で紹介状を発行してもらう必要があります。
紹介状がない限り、応募ができないので、必須なのです。だからといって、この紹介状を、1度に4社、5社とまとめて発行してくれるわけではありません。
発行数が、多くなると、混乱の元になるので、職員の方は恐らく発行しないと思います。ですので、応募する度に、ハローワークに通わなければなりません。特に、落選が続くと、モチベーションも下がりながらの活動になります。
こういった点では、ハローワークに通うマメな性格と、時間を十分に使える人でないと、続きにくいかもしえれません。
4.ハローワークで求人探しで成功するポイント5つ
ハローワークでは、実際に通いながら求人探しをおこない、成功している人もいます。ここでは、内定をもらうための活動のポイントをご紹介します。
4-1. 講習会、セミナーに参加する
ハローワークでは、無料のセミナーや講習会を開催しています。特に、20代で転職が初めてという方は、どのように求人活動をしていけば良いのか迷うこともあるでしょう。
その場合は、ハローワークの講習会、セミナーに参加してみましょう。
・社会人の基礎力作り(チームワークなど)
・採用されるための就活マナー講座
・転職するためのキャリアビジョンの作り方
・将来に向けたスキルアップセミナー
・ハローワークの求人票の読み方講座
・採用担当者が求める人材とは
4-2. 企業のホームページをチェックする
ハローワークの求人票を見て、応募する企業を決めたら、実際にその会社のホームページをチェックしましょう。ホームページは、その会社の看板なので、その会社がどんな企業と取引をしているのかなど分かります。
・会社概要(何をしている会社なの?)
・企業理念(将来性はあるの?)
・IR情報(赤字じゃないよね?)
・福利厚生(休み取れるのかな?)
・商品・サービス(何が主力製品なの?)
4-3. 求人条件は最初は絞り込み過ぎない
ハローワークの求人は、膨大な求人が掲載されているため、最初は、いろいろ条件を入れてしまいがちです。ただ、あまり絞り過ぎると、企業が見つからない、思ったような企業が見つからなくなります。
ですので、条件を入れる場合は、絶対に外せないものを優先し、徐々に絞り込んでいった方が抽出し易いでしょう。
4-4. 掲載期間が長い企業は注意する
求人募集している会社の中には、毎回見かける求人も出てくることがあります。そんな求人は、少し注意した方が良いかもしれません。なぜなら、採用が終わったら、掲載しないはずだからです。出し続けているというケースは、他に何等かの理由が考えらえます。
・すぐに辞めていってしまう仕事だから。
・空求人(カラキュウジン)
・仕事が多くて、現状の人数ではパンク寸前。
・他の応募者からみて、何かしらの問題がある。
・企業が求める人材のスキルが高い。
・求めている人材がこない。
掲載期間が長い理由には、このように多くの理由があります。その中でも、特に注意したいのが、「すぐに辞めていってしまう仕事」のケースです。
これは、残業が極端に多い、パワハラがある、人間関係が悪い、体力的に続かない、厳しいノルマが課されるなど、仕事を続けられるような状況にない可能性があります。よく言われるブラック企業です。
また、「空求人」は、採用する意欲はないのに、求人を出し続ける企業のことです。中には、過去に100人以上応募しているのに、1人も採用されていない求人もあります。
ですので、気になったら、ハローワークの相談員に確認できる範囲で聞くことも一つでしょう。
4-5. 自分に合った相談員を見つける
ハローワークは、相談員によって、協力的な方もいれば、非協力的な方もいます。また、性格的な相性もあるかもしれません。
ですので、相談しやすい人、しっかりアドバイスしてくれる人を見つけ出すことも、転職活動をする上で大事になってきます。
4-6. ハローワークと相性の良い転職サイトも取り入れる
ハローワークで転職活動をして成功している人の多くは、転職サイトも上手に活用しています。
特に、ハローワークでの求人探しは、自分の視点でしか探せないため、企業が求めている人材という視点からは探すのは簡単ではありません。つまり、転職活動をする上で大きな機会損失をしてしまう可能性があるのです。
ですので、成功している人は、ハローワークを中心に探しながらも、転職サイトで内定をもらっている方も少なくありません。
5.ハローワークと相性の良い転職サイト
ここからは、成功している人が使っている転職サイトをご紹介します。転職サイトには、大きく2つあります。
1.求人検索型のタイプ
2.求人紹介してくれるタイプ
求人検索型のタイプは、マイナビ検索、DODA、はたらいく、エン転職、イーアイデム、@typeといったネットで求人検索できるものです。ハローワークの民間版のようなものです。
使ったことのある方も多いのではないでしょうか。このタイプは、自分で検索できる点は、大きなメリットです。ただ、ハローワークと同じく、自分で検索する以上、探し出す視点は、やはり変わりません。
それに対し、求人探しを企業側の視点からも探してくれるのが、「求人紹介してくれるタイプ」です。転職エージェントと呼ばれています。
これは、企業のニーズだけではなく、自分の条件も合わせ、両方の観点から探してくれます。なので、紹介してくれる企業の精度は、求人検索して見つける企業よりも高いんです。
だから、ハローワークでは、内定を取ることが出来なかった方でも、転職エージェントを使うことで内定を複数もらっている方も珍しくありません。
ここからは、その成功確率の上がる転職エージェントを厳選してご紹介します。
5-1. 20代向け転職サイト
20代の転職は、未経験からのキャリアチェンジ、優良企業への転職、書類選考をパスしての内定獲得ルートなど、幅広い活動ができます。ハローワークの求人活動と合わせて、利用したい人気の転職エージェントサイトをご紹介します。
非常に多くの方が、成功への切符を手にしているのが、以下のエージェントです。必ずチェックしてきましょう!
5-2. 30代、40代の転職サイト
30代向けの転職サイトは、20代と異なり、未経験での採用よりも、即戦力を募集している企業が多いです。とはいえ、業界未経験であっても、過去の経験を評価してくれる企業もあります。
また、40代以降の転職活動は、企業側が求めるスキルが上がる求人が多くなります。例えば、プロジェクトの管理や監督、統括するようなポジションです。
ですので、それ以外の役割で求人探しをする場合は、ハローワークを軸にしながら、より多くの転職エージェントと合わせて活用していきたいところです。
・ハローワーク
・求人検索タイプの転職サイト 3社
・転職エージェント 12社
もちろん、同じ業界・業種の即戦力として探すだけではなく、異業種でも、過去の経験が活かせる未経験採用も可能性はあります。ここは、転職エージェントに相談しながら、具体的な方向性を決めていきましょう。
30代、40代となると、普段の仕事も忙しくなります。平日に転職活動をするとなっても、時間を取ること自体が難しくなるのではないでしょうか。
ここでは、そんな忙しい30代、40代の方のための転職エージェントをご紹介します。
6.ハローワークの転職活動のまとめ
いかがでしたでしょうか。転職活動は、新しい職場探しという意味だけではなく、自分を活かすための道探しという貴重なチャンスでもあります。
ハローワークを軸とした転職活動は、決して難しくはありません。ただ、年齢が高くなるにしたがって、活動範囲を広くとっていく戦略も必要です。
まずは、行動すること。これが出来れば、必ず見つかるはずですよ!