急に仕事が増えた
急に仕事が増えて、慣れない業務まで対応しなくちゃならない。断ることも出来ないし、受けても受けても仕事が終わらない・・・そんなことはないでしょうか。このサイトでは、以下の方が対象です。
対象の方
- 急に仕事量が増えた
- 仕事が断れない
- 上司からの命令だ
- 人や部署によって忙しさの差が激しい
- 残業が増え、終わらない
- 精神的に苦しい
- 断ったら人事評価が気になる
- 昇給に影響がありそうで怖い
- 断ったら人間関係にひびが出そう
ここからは、仕事が増えるという正面からは見えない裏の実態をお見せします。
自分の頑張りにも限界
仕事が増える・・。いつもの慣れた仕事ならまだしも、1つ増え、2つ増え・・。ただ、頼まれた仕事だし、断れない。断ったとしたら人事評価が気になる。また、上司や周りとの人間関係にも不安が残るといったことはないでしょうか。
仕事が増える最初の内は、頑張れば、どこかで評価してもらえる。また、仕事が多くても達成することで、自分の能力が認めてもらえ、それが周りからの評価にもつながると考えますよね。また、周りからも仕事がどんどん舞い込んできます。1人で解決できない場合は、チーム内・他部署と連携しながら行ったりすることもあるでしょう。
これは、間違っていませんし、実際にそれで実績を重ねていく人もいます。ただ、仕事のやり方はどうであれ、それは自分に対応出来る余力があるという前提条件です。頑張る気力さえあれば、何とかなるのも、この忙しさです。
ただ、仕事が増えることによって、精神的な負荷が高くなり、毎日残業しても終わらないような仕事が慢性化してくると深刻になります。もう、自分の頑張りではどうにもならなくなるのです。サービス残業や自宅に持ち帰ってなどなると、もうひどい状態です。
仕事が増え続ける理由とは?
仕事が増えることは、一時的にはあると思います。ただ、仕事が回らなくなると、残業時間が増えます。先月と比べて、大幅に増え慢性化してきます。何とか処理をしなくちゃならないという気持ちになり、大抵は自分に責任があると感じます。もしかしたら、仕事をこなすスピードがないなど、自分を責めるかもしれません。
ただ、根本原因は、実は個人にはありません。実際には、企業の体質に影響するところが大きいのです。いやいやそんなことはないと思うかもしれません。
今からその背景をご紹介します。
仕事が増えることによって、数字に出やすいのが、残業時間です。国内の個々の企業の残業時間は、公表されていないため、長時間労働者の割合で日本と他国を比較してみます。
長時間労働者の割合
国名 | 長時間労働者の割合(%) |
アメリカ | 16.6% |
日本 | 20.8%(男性 29.5%,女性 9.5%) |
カナダ | 12.0% |
フランス | 10.1% |
ドイツ | 9.6% |
オランダ | 8.8% |
これを見ると、日本は、他国と比較して長時間労働者が多いことが分ります。その中でも男性が多くを占めています。単純に比較しても、ドイツ、フランス、オランダの2倍違います。
なぜ、ここまで違うのか?
その最大の理由の1つは、労働基準法の違いにあります。同じ労働を規制するはずの法律があるはずなのに、なぜ、日本と違うのか。それは、残業時間に対する規制の強さです。
国名 | 労働基準法の実態 |
日本 | 残業時間に制限はほぼなし。 |
欧州 | 残業時間に罰則あり。 |
日本には、確かに労働基準法はあります。1日8時間、1週40時間。労働基準法は、本来は、労働者を守るためのものです。でも、実際には、残業してますよね。それは、36協定を結んでいるからです。
だから、1ヶ月は、法廷労働時間に最大45時間まで残業させることができます。更に、特別条項付き36協定を結べば、過労死の目安である月80時間を超えて残業させることができるんです。これでは残業時間が無制限と同じです。
海外では、36協定や特別条項付き協定のような、残業時間の枠を臨時という理由で延長できてしまうような法律はありません。これは、ジャーナリストの方も指摘しています。以下は、プレジデントオンラインからの抜粋です。
なぜ放置?日本だけ「無制限時間労働」
EUと違い、日本における最大の疑問は、なぜ無制限に働かせることを放置してきたのかという点だ。その原因のひとつは、1947年に労働基準法を制定する際に、長時間残業は時間外割増手当による賃金規制で抑制ができると考えていたからだ。割増分を払うことを義務づければ経営者は残業させることを躊躇する。その結果、1時間当たり2割5分増しに決まった経緯がある。
引用元:プレジデントオンライン なぜ放置?日本だけ「無制限時間労働」
日本と違い、海外では、残業時間を制限する基準法に関し、臨時の臨時といった制限を広げることはしていないのです。法定労働時間が定められていて、それを超えれば、「罰則」と非常にシンプルなのです。そのため、雇用主は法律に従わざるを得えないわけです。
ちなみに、アメリカは、日本と同様に残業時間をさせることができます。だから、長時間労働者の割合も16.6%と欧州と比較すると高めです。ただ、アメリカは、残業させた場合、高額な割増賃金の支払い義務が発生します。これは、日本の深夜残業と同じ割増率です。だから、仕事量によっては、残業ではなく、増員で対応するんです。
これが、雇用主側の残業時間の歯止めになっているんです。つまり、日本の労働基準法は、雇用主都合で長時間労働させられる法律になっているのです。
日本の会社は残業の2極化が進んでいる
日本の会社は、労働基準法が長時間労働の歯止めになっていません。そのため、企業の残業に対する姿勢や取り組み方が大きな差となって現れてきます。それが、残業時間に対するの会社の2極化です。
・残業を改善する体質の会社
・残業を放置する体質の会社
の2つです。具体的には、以下の通りです。
1.残業時間、仕事配分のバランスを含めた調整力のある会社(従業員が働きやすい会社)
2.人件費を抑えるため、残業時間でカバ―する会社(雇用主都合の会社)
このように2極化が進む背景には、労働基準法ではなく、企業のポリシー、理念、考え方が大きく影響します。言い換えると、企業風土です。例えば、働きやすい職場では、仕事量も個人や組織に偏りをなくすよう、1人当たりの作業量にバランスを取る工夫をしています。
だから、急に仕事が増えたり、増え続けたりすることはありません。ましてや、特定の個人、組織の頑張りで切り抜けるような突貫工事的な仕事配分は、問題視されます。
逆に、雇用主都合の会社は、作業量が増加しても、人件費を抑えようとします。残業代の支払いの方が安く上がるからです。頭にあるのは、人ではなくお金です。だから、労働基準法を上手く利用することに長けています。
1.特定の個人、組織に仕事の負荷がかかっていることに気づかない。
2.会社全体が残業を頑張りだと信じている。
つまり、企業風土により働きやすさが全く異なるのです。
先進国で自殺の多い日本
過労死(KAROSHI)は、今や世界の共通語にまでなっています。また、以下は2015年に毎日新聞で掲載されたニュースです。先進国の中でもちょっと逸脱しているのことが分りますでしょうか。もちろん、必ずしも、従業員の割合が高いとは限りませんが、あまり上位にランクインしたくない状況です。
出典元:毎日新聞ニュース
厚生労働省が公表している平成29年中における自殺の内訳では、被雇用者の自殺者は6,432人。また、精神障害者の方の労災請求件数も増えています。
労災の請求件数が増えるということは、国の財政上の問題にもなってきます。そのような対策の一環として政府が打ち出してきたのが、「ストレスチェック制度」です。
ストレスチェック制度の義務化
国も労災請求件数の増加や自殺者数が増えていることから、職場でのストレスチェックを義務化しています。この中では、仕事の作業量や仕事の負荷など、チェックすることで、企業側が分析する資料となっています。(2015年12月1日から従業員50人以上の事業場が対象)
働きやすい職場選び
これまで見てきた通り、日本は海外と異なり、残業体質の会社が実在します。急に仕事を増やし、残業でカバーしようとする会社は、今に始まったことではないはずです。恐らく、企業風土として持っているはずなんです。つまり、会社選びで働きやすさが全く違うということなんです。
つまり、仕事の配分は、企業体質(ポリシー、モラル、企業理念)といったところに深く関わってきます。
ですので、今の状況を脱するためには、会社を変えてしまうのが手っ取り早いです。
ただ、会社探しに関し、働きやすい職場を探す場合は、募集要項だけでは、実際は情報が少なすぎます。なぜなら、募集要項は、企業の内部情報を公開するものではなく、あくまで応募してもらう人に興味を持ってもらうことが目的だからです。だから、一方向でのみの情報でしかないのです。
例えば、部署によって残業時間が多いなどといった細かいことはまず書かれていないでしょう。
なので、企業探しは、応募する会社に勤めている友人や知人に聞く。または、企業の内部事情に精通している転職エージェントがおすすめです。転職エージェントの場合は、採用募集の背景や募集している部門の仕事内容についても把握しているので、相談するには欠かせませんよ。
まずは、リセットする気持ちを持つことが大事です。ここからは、働きやすい職場を探すことのできる転職エージェントをご紹介します。