一級建築士の資格取得
一級建築士の試験って?
一級建築士の合格率は、平成29年は、学科18.4%、製図37.7%、総合合格率10.8%と狭き門です。この試験に合格するには、平均1000時間から2000時間の勉強が必要です。
合格するために、多くは専門学校で学びますが、費用は以下の通り、100万円以上します。
◆勉強時間:1500時間程度
◆合格率:10%前後
◆費用:100万前後(学科+製図)
出典元:日建学院、建築技術教育普及センター
合格者の平均年齢は、32.4歳と会社の中でもチームとして引っ張っていく年齢でもあります。
一級建築士の合格は転職にも有利
ちょうど30代前半で一級建築士に合格すると、転職も有利です。特に現在の年収が少ない、もっと自分を活かせる会社で仕事をしたいといった方は、転職活動は積極的におこなっている方が多いです。
一級建築士の平均年収は645万円。平均給料は、毎月42万2000円です。ですので、今の会社で収入が上がらないといった場合は、現在の市場価値を知るだけでも大きいですよ。
一級建築士の受験勉強中で退職している人
一級建築士の試験勉強のため、既に退職し、受験勉強を行っている方もいるでしょう。もちろん、試験勉強は続けるべきですが、もし、学科のみでも既に合格している場合であれば、今は積極採用している企業もあります。
ですので、転職活動は、やっておくべきでしょう。一級建築士の試験は年に1回しかおこなわれないため、あまり職歴期間にブランクが出来てしまうと、次の転職に決して良い結果にはならないからです。
一級建築士は年収が50万~100万アップする人も
一級建築士を取得した後も、今の企業に勤めて年収が上がらない場合は、
一級建築士の転職先とは?
ゼネコン
商業施設、生産施設、超高層マンション、オフィスビル、、医療福祉施設、文教施設教育施設、公共建築などの構造設計などに携わる建築士の需要は多くあります。ただ、ゼネコンは中堅レベル以上になると必須だと思った方が良いでしょう。
組織設計事務所
組織設計事務所は、大きく2つに分かれます。
1.グループ系組織設計事務所
2.独立系組織設計事務所
グループ系組織設計事務所は、グループ企業に関する建物の設計を中心に行っていきます。
それに対し、独立系組織設計事務所は、多方面に展開している事務所です。
デベロッパー
デベロッパーは、土地や街を開発する不動産会社で、建物を建てるゼネコンへ発注するため、ゼネコンとはパートナー関係にあります。デベロッパーの主な事業は、以下があります。
・大型商業ビルの開発
・リゾート開発
・マンション開発
・テナント業
・土地・物件の売買
・街づくりの企画
・大規模場な宅地造成
大手・中堅のデベロッパーには、三井不動産、三菱地所、住友不動産、伊藤忠商事、東急不動産、野村不動産、森ビル、大和ハウス、大東建託、東京建物、東武鉄道、みずほ不動産販売、近鉄不動産などがあります。
デベロッパーの場合の求人募集の多くは、即戦力を募集している方が多いです。ですので、一級建築士の資格の取得は必須だと思った方が良さそうです。
PM・CM会社
2014年に公共工事の品質確保に関する法律(公共工事品確法)が改正されました。アメリカでは一般的な建設生産管理システムの一つで、公共工事の発注者の立場で、プロジェクト管理、品質管理、コスト管理、工程管理をおこないます。
プロジェクトマネジメント・コンストラクションマネジメント業務は、発注する事業主のパートナーとして、マネージメントするのが主な役割です。
例えば、PM・CM業務を初めて導入した公共事業として、町田市庁舎があります。ここでは、日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社が担当しています。
発注者(建築主):東京都町田市
設計会社(設計者):株式会社槇総合計画事務所
施行会社(施行者):鹿島建設株式会社
PM・CM業務をおこなっている企業では、30代前半であれば、一級建築士の勉強中でも採用されるケースがあります。ですので、取得する予定があるのであれば、転職エージェントに早めに相談しておきましょう。
製造工場等の施設担当
製造業などの大手企業は、自社の製造工場を持っている場合があります。
例えば、食品工場の建築業務として、新店舗の開発、食品工場の新設・増設、改修改築業務があります。また、グループ系列の場合は、全国に展開しているため、多くのフィールドがあります。また、企業内での専門的な立場に立つため、仕事へのやりがいも感じることのできる仕事の一つでしょう。
製造工場などの施設管理者の求人募集は、多くの場合、企業内で人材育成するというより、即戦力を求める求人がほとんどです。そのため、一級建築士の資格はほぼ必須と思った方が良さそうです。
一級建築士の転職エージェントの登録の流れ
ここからは、一級建築士の転職エージェントを利用するステップを簡単に分解してご紹介します。転職エージェントは、出来る限り、広く登録しておくことをおすすめします。
そうすることで、入ってくる求人情報、内定へのスピードも全く違ってくるからです。ただ、まずは、情報収集だけという方は、1、2社程度で十分でしょう。
ユーザー登録する
転職活動を開始する場合は、企業紹介してもらうため、まずは、Web画面で登録が必要です。ここでは、現在の物流会社での仕事内容や、希望する年収、勤務地、いつ頃に転職を希望するかなど、分る範囲で入力します。
電話またはメールが届く
登録が終わると、キャリアコンサルタントから、電話で連絡がきます。(メールのケースもあります。)この結果、時期的に紹介してもらえそうな求人が少なかったりするケースもあります。その場合は、他のエージェントへ登録しましょう。
多くの方は、少なくとも、3社以上は登録しています。出来る限り良い条件を引き出すなら、より多く登録しておいて損することはありません。全て無料ですので。
キャリアカウンセリング
キャリアコンサルタントと一度会って、自分のキャリアの棚卸しと、希望する建築企業の条件を伝えます。それを聞いたキャリアコンサルタントは、数ある企業の中から、希望の求人に近いものを紹介してくれます。
特に、一級建築士は、転職する場合、より良い条件の企業が探し出せる可能性があるため、時期にもよりますが、提案してくれるはずです。
応募書類の作成と添削
また、行きたい建築企業があれば、書類選考対策として、履歴書や職務経歴書の書き方、志望動機などPRの仕方を教えてくれます。また、過去に内定を取っている方がいれば、その情報も合わせて、深い対策準備ができます。
これは、一般的な求人探しで直接会社へ応募している方には、出来ない対策です。なので、アドバイスもらえる点は、どんどん修正改善して吸収していきましょう。
応募する
キャリアコンサルタントからのアドバイスをもらって、作った応募書類が完成したら、いよいよ、応募です。応募は、キャリアコンサルタントが代行して、企業へ提出してくれます。
また、その時に、コンサルタントからの推薦状のコメントも一緒に付加されて、採用担当者の元へ届きます。もちろん、推薦状があれば、内定がもらえるわけではありませんが、一般で応募する場合とは、状況は異なります。
面談対策の実施
書類選考が通過すると、次は、面接です。就業中の場合は、面接日程の調整など企業側と調整するのは大変ですが、これも、キャリアコンサルタントが代行で日程まで調整してくれます。
なので、希望日や都合の悪い日などは、キャリアコンサルタントに伝えれば、後は、面接の準備だけに集中できます。
企業と面接の開始
企業との面接では、キャリアコンサルタントと練習してきた模擬面接、質問対策、面談の受け方のコツなどを一通り済ませておけば、安心して受けることができます。
もちろん、最初は慣れないこともありますが、キャリアコンサルタントは、多くの成功者を出しているので、一つ一つアドバイスに従って対応していけば、道は開けてきます。
入社の準備をおこなう
無事、新しい会社への内定が決まったら、あとは、入社日の日程調整に入ります。ここも、キャリアコンサルタントが、日程調整をしてくれます。なので、自分のすべきことは、退職手続きのみです。
転職活動は、一人でおこなうと、あれもこれも対応しなければならず、就業中は大変ですが、キャリアコンサルタントがいるだけで、ずっと楽に活動をすることができますよ。
一級建築士の転職で活用すべき転職エージェント
リクルートエージェント
メリット
・国内最大手の転職エージェント。
・全国の建築・土木・設備の案件も豊富!
・建築業界からキャリアチェンジにもおすすめ。
・非公開案件10万件以上あり。他を圧倒!
・20代、30代の転職に強い。
・企業への営業力も強いため、心強い。
・一級建築士の転職先の可能性が大きく広がる。
・転職エージェントとしての実績はトップクラス。
デメリット
・担当者によってスキル差がでる場合がある。
項目 | ポイント |
料金 | 完全無料 |
地域 | 全国対応 |
評価 | |
備考 | リクルートを代表する国内トップクラスの転職エージェント。 |
パソナキャリア
メリット
・転職エージェントとしての歴史は40年と長い。
・総合エージェントながら建築・土木の内定者多数。
・20代、30代、40代の転職成功者が多数。
・関東・関西・東海在住の方が対象。
・女性の内定者も多く輩出している。
・キャリアパスの相談には専任のエージェントが対応。
・手厚いフォローと親身になってくれるため、相談しやすい。
・一級建築士の資格を有効活用した転職ができる。
デメリット
・転職エージェントとしての知名度は高くない。
項目 | ポイント |
料金 | 完全無料 |
地域 | 関東・関西・東海在住の方 |
評価 | |
備考 | キャリアコンサルタントが親身に対応してくれるから安心。 |
フリーランチ
メリット
・75分9800円の相談費用はかかる。
・東京の小伝馬町駅で相談受付。
・ゴールを目指していない相談の方が多い。
・家族の悩み、自分の悩みの相談。
・相談できる人が周りにいたい方向け。
デメリット
・転職したい方にはあまり向いていない。
項目 | ポイント |
料金 | 9,800円(75分1セット) |
地域 | 東京小伝馬町にて相談 |
評価 | |
備考 | 人生相談に乗ってもらえる。 |
ヒューレックス
メリット
・東北地方の建築関連の転職には欠かせないエージェント。
・銀行とも提携しているため、紹介先企業の経営基盤は強い。
・青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県の転職に強い。
・独自に持っている非公開案件が豊富。
・東北地方の建築・土木・設備業界とも密な関係。
・書類対策・面接対策は、親切に教えてもらえる。
・建築事務所、デベロッパなど内定者多数。
・転勤なしの転職先も紹介してもらえる。
デメリット
・転職エージェントとしての知名度は高くない。
項目 | ポイント |
地域 | 東北地方の求人に強い。 |
評価 | |
備考 | 東日本での建築士の転職情報は、圧倒的に濃い。 |
一級建築士の転職先のまとめ
一級建築士の転職は、その資格の価値や過去の実績を高く評価してもらえる企業に巡り合うことが年収を上げるポイントになります。また、残業の少ない働きやすい企業へ勤めるなら、より求人数を多く抱えている転職エージェントは欠かせません。
今は、30代から60代の一級建築士の方が、転職を成功させています。年齢はあまり関係なくなってきているので、今がチャンスと言えるでしょう。
年収550万以下は転職した方が上がる可能性が高い
一級建築士の平均年収は、645万円です。ですので、それ以下の場合は、年収が上がる可能性は十分あります。
ただ、会社によっては、一級建築士を取得しても残念ながら上がらない企業というのもあります。ですので、年収を上げるのであれば、転職活動を行い、納得のいく条件のものが見付かれば、転職するという選択肢を取ることもできます。
特に、今の時代は、40代、50代、60代といった年齢不問の企業も多くあるため、そのような企業と巡りあうためには、転職エージェントは欠かせません。特に、転職エージェントを使うと質の良い求人が見つかり易くなります。また、求人数も一般の求人サイトが3割とすると、残りの7割を握っているため必然的に優良企業に巡り合える可能性が高くなります。
転職するかしないかは別として、まずは、自分の可能性を知る意味でも、必ず登録しておきましょう!