配置転換で仕事を辞めたい
自分の望んでいない配置転換、とても困りますよね。今までやってきた仕事を外れ、また一から始めなければならない。しかも、やりたくもない仕事を・・・。こんな状況であれば、会社を辞めて、仕事探しをしたいと感じた経験はないでしょうか。このサイトでは、以下の方が対象です。
- 納得のいかない配置転換があった
- 人が足りないから異動してと言われた
- 希望の異動が叶わなかった
- 自分の意向を無視された。
- 転勤を命じられた
- 不慣れな部署に配置になった
- 配置転換後、仕事が辛い
理不尽な配置転換の中、本当に我慢をする価値があるのか、また、周りからどう思われているか、気になることもあるのではないでしょうか。ここでは、1つ1つ解き明かしていきたいと思います。
配置転換は日本だけの文化
配置転換は、日本特有の風習です。ただ、もう時代遅れの風習です。
海外では、配置転換はしません。なぜなら、配置転換によって、業務が変わると、またゼロから新しいことを覚えなければならないからです。覚えるのに時間がかかります。また、覚えた所で、配置転換するメリットがないからです。
例えば、プロスポーツに野球があります。
海外では、ピッチャーはピッチャーの仕事に対して、お金が払われる。
日本では、ピッチャー、キャッチャー・センター・ライトもやってチームの一員としてお金が払われる。
つまり、海外の場合は、役割に対して給料が支払われます。だから、各個人は仕事に守備範囲を持っています。ピッチャーに対して、お前は明日からキャッチャーやれと言われたら怒ります。なぜなら、自分はピッチャーの仕事をするために入社したからです。
日本では、ピッチャーとして入団しても、参考程度にしか扱われません。ローテーションもおこなわれます。また、人材教育、人でが足りないといった理由でぐるぐる回されます。
この配置転換は、普通に何の疑問も抱くことなく行われています。では、実際、どのような理由で配置転換をしているのでしょう。以下は、労働政策・研究機構が公表しているものです。
配置転換の中でもそれなりの根拠理由が必要と思われる転勤を例にみてみます。
出典元:労働政策研究・研修機構 企業の転勤の実態に関する調査
これを見ると、
人材育成、適材適所、人事ローテーションが上位を占めていますよね。つまり、配置転換は、本人都合ではなく、会社都合によるものが多いということです。ただ、別の部署に異動させてまで、新たな仕事を覚える必要性が本当にあるのか?です。
終身雇用を前提にした古い体質
日本は、海外と異なり、以前は終身雇用という働き方をしてきました。入社したら、定年まで働ける。しかも、年功序列といって、年齢が高くなるに従って、給料も上がる時代でした。
この時代は、個人で仕事をするというよりも会社という組織の中で仕事を回すことが大事な時代でした。ある意味、会社が1つのお城のようなものです。
城主大名
旗本
御家人
徒士(ちかざむらい)
足軽
小者(こもの)
城主に仕える者は、お城を守り、城主に仕えることが仕事です。その中では、配置転換もあります。
終身雇用や年功序列があった時代は、会社の組織の中で生活が保障されていたわけです。だから、転勤も配置転換も誰もが当たり前に考えていました。でも、今の時代、終身雇用、年功序列も崩れました。
では、残ったものは、何か?それは、主従関係です。こうなると、もう学校と同じです。
本人は算数が得意でもっと勉強したいのに、先生から苦手な理科をやらされる感じですね。点数が悪いと、やる気あるのかと叱られ、給料を下げられる・・。
多くの科目をさせることが、人材育成と考え、評価も総合得点。本人が伸ばしたい科目より、先生が決めたカリキュラムが優先・・・。でも、先生もローテーションで回ってきたらか、素人・・。
ジョブローテーションって何だ?何かがおかしい、素直に気づく人もいます。だから、このシステム。今の時代、ほとんど機能していません。
低迷する日本の労働生産性
以下は、OECDの各国の1人当たりの労働生産性です。日本は、21位と低いですよね。その低い原因の1つは、このジョブローテーションと言われています。
実は、海外には、このジョブローテーション(配置転換)はありません。なぜかというと、働き方の根本思想に、
という考え方にあるからです。そのため、配置転換の意味は海外では見かけないんです。
・なぜ、慣れない仕事をするのか?
海外の方からみた日本の人事制度にも印象的なコメントがあったので引用しますね。
日本企業は、他の国では専門家の分野として豊富な経験と特別な教育が必要とされている仕事を、多くの社員に短期間で一から学ぶことを強いている。よくそれで競争に生き残れるものだと、私は不思議に思うほどだ。これは非効率であることに加えて、非常にストレスの溜まるやり方である。
引用元:ハフポスト 日本企業を弱体化させる人事異動制度
日本も動き出している
海外では、
のが一般的です。
そのため、
職務記述書(職務表:ジョブディスクリプション)を持って、どんな仕事を専門としてやっているのかが分るようになっているのです。
だから、会社で採用される時には、この仕事に適した部署に配属されます。なので、せっかく採用した人間を他の仕事に就かせるのは、会社として理にかなっていないのです。ちなみに、日本でも、欧米型の職務表を取り入れた動きに変わってきています。以下は、2017年のものですが、少しずつ動き始めようとしています。
経済同友会 生産性改革に向けた日本型雇用慣行の改革へのチャレンジ
公の意識に基づく組織への貢献を適正に評価するため、チームワークの観点を取り入れた職務(ミッション)を設定する、日本型のジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を開発する必要がある。また、日本型のジョブ・ディスクリプションを運用していくにあたっては、各人の成果をはかる評価軸を見直すことが求められる。
引用元:経済同友会
配置転換はもう古い
配置転換は、時すでに時代遅れの制度の1つです。なので、時代に逆行するガラパゴス的な配置転換を優先して、自分の伸ばしたいスキル、技術を置いてきぼりにすると、後で自分を見失うことになります。
政府が始めている働き方改革も、基本的には、考え方は同じ方向を向いています。つまり、個人のスキルを重視するということです。自分の仕事をはっきりさせるということです。
ワークライフバランス(仕事と生活のバランス)の先進国オランダでは、定時までに帰宅する人も珍しくありません。なぜ、そんなことが可能なのか?ですが、オランダもジョブディスクリプションで人が動いてます。つまり、慣れている仕事、一人一人が専門性をもって働いているんです。だから、早く帰るために、自分のペースで仕事が終わったらすぐ帰れるんです。16時であっても。
そして、オランダを始め、欧州では、家族との時間を大事にする習慣もあります。以下は、経済政策フォーラム パネルディスカッションの資料の一部です。ここにも家族との過ごす時間を優先していることがみてとれます。
また、オランダは、給料面で見ても、雇用形態である正社員もパートも同じ時間働けば、給料は同じです。昇給も同じ扱いです。なぜなら、人の評価は雇用形態ではなく、職務表に基づくからです。また、パートとしての女性の社会進出もトップクラスです。
日本では、パートというと有期雇用ですが、オランダは無期雇用です。正社員とパートの違いは、1日の労働時間が時間が長いか、短いかでしかありません。だから、正社員になったり、パートになったり、パートから正社員になることも普通にあります。
時代に乗り遅れるな
「配置転換」は今は当たり前のもののように思うかもしれません。なぜなら、古い日本の文化、歴史の名残がまだ残っているからです。ただ、配置転換は、既に古い考え方で、今後積極的に活用しようとする会社は減っていくことは間違いないでしょう。
日本は、これから益々少子高齢化が進んでいきます。つまり、労働人口が減少します。つまり、一人当たりの生産性を上げなければならない状況にきているのです。
そこで求められるのは、新しい仕事を覚えることでも、新しい部署で仕事に慣れることでもありません。何でも屋さんではなく、プロフェッショナルです。
つまり、ジョブ・ディスクリプションを固めていく時代なんです。そのためには、自分の仕事の能力を伸ばしていかなければなりません。
ジョブ・ディスククリプションが決まれば、当然、仕事にも慣れます。責任感も出てくるでしょう。また、慣れれば、仕事のスピードも速くなります。効率も良くなります。当然、早く帰るために、仕事をさっさと切り上げて帰る人もいるでしょう。
だから、今すべきは、配置転換で一から学んだり、慣れない仕事をまたゼロからすることではありません。(自分の希望であれば別ですが・・。)
そうではなく、しっかり自分の5年後、10年後を考えて、自分の持っているスキルを高めることの方が、将来の仕事の安定にもつながります。20代であれば、まだ十分キャリアチェンジもできます。
将来の自分の方向性、どんな企業でスキルを磨いていったら良いのか迷ったら、スキルが磨ける職場を探すことです。職場探しなら、企業の情報力に長けた転職エージェントに相談しましょう!丁寧に教えてもらえますよ。平日が忙しい方は、土日対応のエージェントを使っていきましょう。(もちろん、自分の希望や、今までの経験を活かしたい場合は、その旨も一緒に伝えましょうね♪)