会社を辞めたい40代の退職理由
40代での退職する人が増えてきています。リクナビNEXTの集計によると、そのホンネは以下でした。
参考データ:リクナビNEXT
このような理由の中、会社への忠誠心も次第に薄れ、会社に便利に使われる人間として生きていくことに限界を感じる方も多くいるようです。
退職後は、無職か転職か?
40代で会社を辞めた方のその後の進路。無職としてしばらく時間を過ごすか、それとも転職の道を歩むのか気になることもあるのではないでしょうか。ここでは、口コミ等の情報をもとに、事例をご紹介します。
40代で退職し無職になった場合
40代で退職し、そのまま無職になってしまった方の口コミ等からメリットデメリットをみてみましょう。既婚の人も独身の人も、無職になると、世間的な視線は気になるようです。
メリット
・平日は、図書館でゆっくり過ごせる
・自宅に帰ってからも、読書。
・趣味の釣りが楽しい。
・料理が上手くなった。
・落語や映画館に行く。
・平日はどこも空いていてのんびりできる。
・子供と遊ぶ機会が増えた。
・毎日が休日って信じられない。
・寝起きが良くなった。
・1ヶ月が早すぎる。
自由な時間を持つことによって、緊張感から一気に開放される方が多いようです。特にストレスが多い職場にいる方は、この自由を満喫してしまうと戻れなくなるかもしれません。また、辞めても意外に大丈夫だった人も多いようです。
ただ、次の転職につなげるのであれば、規則正しい生活も自分でコントロールが必要です。
デメリット
・保育園のパパ友、ママ友に話したら、白けられた。
・誰かと話す機会が減った。
・両親に言いにくい。言えない。
・質素に暮らす。
40代で転職した場合
40代で転職する方も多くなってきています。今までの長年勤めてきた会社を辞め、自分をもう一度、リセットし、生きがいを求める仕事探しをする方です。
人生1回しかない中で、今のまま行くよりも、充実した人生を1日でも長く過ごしたいという考え方も1つでしょう。
40、50代転職事情
ここからは、40代、50代の転職事情をご紹介します。現在は、40代の転職も珍しくなくなってきたこともあり、近い将来、更に求人数は増えていく可能性を秘めています。
35歳の壁が崩壊
40代での転職は難しい・・・。どこも同じように言われている時代がありました。ここ数年前までは。
35歳の壁という言葉もあった程、転職は厳しいというのが世間の目でした。ただ、その事情は徐々に変わりつつあります。
異業種、異職種への転職が増加
以下は、40代、50代の転職成功の推移グラフです。これを見ると分る通り、右肩上がりで上昇していますが、特に注目すべきは、同業界ではなく、異業界・異業種への転職です。
ここが、着実に増えていっているのです。
出典元:NHKクローズアップ現代
中小企業は人手不足が進む
大企業は、人余りが起こり、中小企業は、人手不足が鮮明になってきています。以下は、経済産業省が公開している中小企業の人材過不足の推移を示したグラフです。
縦軸の従業員数過不足IDとは、「過剰」と答えた企業の割合(%)から「不足」と答えた企業の割合(%)です。2014年頃から、中小企業のほぼ全ての業界で不足傾向になってきていることが分ります。
◆中小企業は人手不足
出典元:経済産業省 中小企業の雇用環境と人手不足の現状
また、人手不足が進むことで、中小企業に大きな問題が起こります。それが、倒産です。以下は、東洋経済が公開している人手不足による倒産件数です。2013年と比較すると、2.9倍近く増えていることが分ります。
◆人手不足による倒産
出典元:東洋経済 中小企業の「人手不足倒産」が広がりつつある
第四新卒の採用(40代、50代)
第四新卒とは、社会人として長年経験を積んだ人を指しています。まさに、40代、50代がその対象です。これは、男性、女性ともに採用は増えてきています。
第二新卒:就職したものの3年程度で退職した人
第三新卒:大学院博士卒で未就労の人
第四新卒:社会人経験を長年積んだ人
40代の転職成功例
ここからは、40代の転職成功事例をご紹介します。
脳梗塞⇒リハビリ⇒45で転職成功
40代で会社から解雇。行き場のない状況の中、転職活動を始めるも、脳梗塞で倒れる。1年間のリハビリを経て転職活動を開始。なかなか転職先が決まらないなか、続けていく中で、大手への転職に成功。
コスメメーカーからアイケアメーカーへ46歳で転職
コスメメーカーでは、長年中間管理職として勤めたが、会社の方向性や将来性がみえないことから転職活動を決意。コスメメーカーへ転職後、持ち前のチャレンジ精神で新規開発に着手し、ヒットを生む。
現在は、昇進し、役員として部下の指導にあたる。
40代、50代の転職市場は拡大
2017年時点で転職へ成功した方は、300万人を突破しています。特に目立つのが、40代以降の転職者です。ここ数年で約2倍以上に増え、今後も増加していくことが見込まれます。
日本は、少子高齢化社会へ向け、労働人口か確実に減少することが見込まれています。その中で、40代以降が活躍できる場面は更に広がっていくものと思われます。
スーパーエリートは必要ない?
40代、50代の転職は、高収入層だけのものと思われがちですが、実際には、そのようなことはありません。チャンスは少しずつ増えてきています。
40代で未経験・年齢不問
ここ最近までは、40代以降は、マネージメント経験や管理職、MBAなど高度なスキルを持っているエグゼクティブな人材が転職の主流でした。もちろん、今も、この層の人達はスカウトも盛んです。
ただ、企業のニーズは、高度なスキルばかりではありません。
採用企業からみた視点
40代の経験者に求めるスキル。それは、高度なものばかりではありません。
・入社して会社の考え、意見を吸収し、自分の考えを変えていける人材か?
・過去にどのような失敗経験を積んできたか?
・見えない未来に対し、どう柔軟性を発揮してきたか?
企業が求めているのは、先行き不透明な世の中で、新しい風、流れを吹き込み、会社に勢いをつけられるような人材です。長年在籍している人材では、会社に安定を求めてしまい、リスクを侵さない傾向にあります。
もちろん、会社も将来どうなっていくのか不安な状況にあるなか、切り開いていく人材は、どこの企業でも必要とされるでしょう。
第四新卒40代以降の転職成功の鍵
第四新卒として転職に成功するためには、やはり、自分の見えないスキルをどう引っ張り出してくるかも、大事になってきます。その代表がポータブルスキルです。
ポータブルスキル
ポータブルスキルとは、持ち運びの出来るスキルのことです。つまり、業界・業種を超えて、どこでも通用する共通スキルです。実は、このスキルは、多くの人が持っているスキルですが、自分では気づかないことも多いスキルです。
そこで、転職を専門にしている転職エージェントと呼ばれる人は、40代以降の方に対し、ポータブルスキルの洗い出しというのを行っています。
以下は、転職エージェントなどのコンサルタントがポータブルスキルの洗い出しに使うフレームワークです。
出典元:経済産業省 ポータブルスキル活用研修
専門性以外に、日常的な仕事の仕方や人との関わりなどがポータブルスキルになります。
ポータブルスキルの洗い出しが出来ると、転職先に幅が広がります。つまり、業界を超えて転職先を探すことができるようになります。ここでは、その例をご紹介します。
40代女性:アパレルメーカーからバッグメーカーへ転職成功
女性向けのアパレル商品を多く手掛けてきたことで、ファッションのセンスや流行などの女性らしいセンスがポータブルスキルとなり、バッグメーカーへ転職に成功した方もいます。
40代男性:事務機器メーカーから通信業界へ転職成功
事務機器メーカーでのチームのまとめ役の経験がポータブルスキルとなり、通信業界の新規プロジェクト部門での人材として抜擢採用され転職成功。
ポータブルスキルの発掘
ポータブルスキルは、自分では気づかないスキル、転職活動において、自分の強みにもなるスキルです。これを発掘することで、転職活動がひろがってきます。
ポータブルスキルの洗い出し
ポータブルスキルは、自分で洗い出すことも可能ですが、転職サービスを利用すると、企業が求めているポータブルスキルと、自分のポータブルスキルをマッチングしてくれるため、非常に強力な武器になります。
特に、転職エージェントは、そのポータブルスキルを組み合わせながら、企業へ提案してくれます。
自分では気づかないポータブルスキル
ポータブルスキルは、単なる経験とはことなり、自分の中にある癖や考え、習慣的なものが洗い出されます。なので、自分では当たり前、当然だったということも、別業界では、高い評価を得ることも珍しくありません。
その意味でも、40代以降は、このポータブルスキルを洗い出しが大事になってきます。
40代以降の転職の注意点
40代以降の転職活動で、注意すべき点があります。ここでは、3つご紹介します。
40代以降の転職の初年度は年収が下がる
転職で気になる一つは、年収ではないでしょうか。40代になると、30代と異なり、管理職クラスになると年収も高くなってきます。ただ、転職にあたり、入社時の年収にこだわってしまうと、大きなチャンスを逃すことにもなり兼ねません。
もちろん、譲れない場合もあると思いますが、年収は、入社後、5年、10年先を見据えて、検討していった方が最終的には結果が良いケースもあります。
転職するなら就業中に活動を
40代の転職は、求人は増えてきてはいるものの、全体から比較すると、まだまだ多くはありません。今後は更に増えると思われますが、やはり簡単には仕事は決まりません。
ですので、40代以降の転職は、早い段階で転職エージェントとコンタクトを取り、求人情報は常にキャッチできる状況にしておきたいところです。
どう人生を終えたいのか?を考える
人生は一度しかありません。40代は、人生の折り返し地点です。そして、この先、仕事をどう自分の人生と結びつけていくか、悔いのない人生を送るための立ち寄り地点でもあります。
最後に自分が何を残すのか、そして、どう生きてきたのかを最後に振り返ることのできる人生を送っていきたいものです。そのために、転職は、大きな人生のチャンスなのかもしれません。
まずは、辞める気持ちがあるなら、転職活動だけはやってみる。そのようなチャンスを作っても損はありません。
第四新卒40代に人気の転職サイト・エージェント
今すぐ転職する、しないはともかくとして、第四新卒としてどこかでチャンスを掴むなら、実際の転職活動を始める前に、情報を入手できるアンテナは持っておきたいところです。
また、会社を辞めたい既婚男性、独身の男性女性に関わらず、将来転職を考えておくなら、少なくとも登録だけはおこなっておきましょう。慌てて活動していたのでは、遅いので・・。